現在、「クローバー」がヒット中のウクレレ派シンガー・ソングライター、つじあやののファースト・アルバムです。彼女は京都の出身で高校時代から鴨川のほとりで“鴨川ライヴ”と称してウクレレ片手の単独ライヴを敢行していたそう。フェイバリット・アーティストは金延幸子や大滝詠一、草野マサムネだそう。緩そうで実は芯の強そうなほわほわとした歌声で、なんとも悲しい恋心を歌っています。成就しない恋、それも男の子側からの切ない心情が主なテーマ。彼女の歌詞の中にいる“僕”から心優しい今時の男の子像が浮かび上がってきます。優しすぎて一人で、どんどんおセンチになってるような気もしますが、それは多分おじさんの感慨でしょう。これは彼女のファンタジーなのですから。「クローバー」で冴えた生ギターを聴かせる小倉博和をはじめ、斉藤誠など手練のオジサマたちが生楽器を活かしたアレンジでさりげなくバックアップしています。