メガプテラスは、黒田卓也(tp)、西口明宏(ts, ss)、宮川純(p, key)、中林薫平(b)、柴田亮(ds)からなるユニット。ロバート・グラスパー等の現代ジャズ・シーンの潮流とリンクする、カッティングエッジなサウンドにエンタテインメント性をドッキング。 　　ステージ上の黒田卓也が自嘲気味に語り、客を沸かせる。この日、メガプテラスの５人はデビューアルバム(フル・スロットル)が完成して初めてのステージに立っていた。メンバーは、黒田卓也、西口明宏、宮川純、中林薫平、柴田亮。 　　デビューアルバムと言っても“手練れ”の５人によるプロジェクト。ステージ上の彼らのプレイに、微塵の拙劣さもない。そんな最高のライブが始まる直前、このインタビューはおこなわれた。しかし、彼らが語ったのは、ステージで客を沸かせる黒田の軽妙な喋りとは裏腹の、あまりに意外な苦心談。ただ、その一方で、目の前に現れたインタビュアーさえも楽しませてやろう、という不敵なまでのサービス精神も見せる。 　　彼らのミュージシャンとしての非凡さをここで細か説明する必要もない。なぜなら、図らずも、このインタビューで見せた彼らの挙動や言行はそのまま(メガプテラスの作風)を象徴しているからだ。先に言ってしまおう。彼らは、妥協を許さない先鋭的なジャズユニットであり、いかしたファンクバンドであり、また、ひたむきな職人集団であり、陽気なエンターテナーでもあるのだ。